カントリードールは母親が子供のために作った、
カントリードールはアメリカの西部開拓時代(1860~1890)に端切れや古くなった衣服を使って、母親が子供に作ってあげたものが元になっているといわれています。
ヨーロッパ製の陶製の人形が高価だったため、その代替品であったとも言われています。
日本でも、少し前までは専門の雑誌があったほど、人気がありました。
カントリー風のインテリアが人気となり、カントリードールやカントリー家具も同じようにファンがたくさんいたのです。
カントリー人気が落ち着き、カントリードールの専門誌、「カントリードール」も休刊になりました。
最近では、「素敵なカントリー」という雑誌も雑誌名から、カントリーを取り、「素敵な部屋作り」と誌名を変えています。
しかしながら、カントリードールやカントリー家具の魅力は、ブームなどとは関係なく、不変のものです。
「カントリードール」という雑誌があったんです。
写真は、左から専門誌「カントリードール」創刊号、「カントリードール」24号、「ぬいぐるみスタイル」です。
「カントリードール」24号は、雑誌「カントリードール」の実質的な、最終号になります。
「ぬいぐるみスタイル」は「カントリードール」の雑誌名が変わり、1号のみ発行された雑誌でした。
もう、「カントリードール」では雑誌が売れなっていたのでしょう。
海外では、プリミティブドールとも呼ばれています。
海外のカントリードールの作家で、有名な方に、タタード・ラビット(Tattered Rabbit)とプリシラ(プリシラズドール、Priscilla’s Dolls)さんがいます。
写真のドールは雑誌「カントリードール」に、型紙と作り方が紹介されていた、プリシラさんのドールを私が作成したものですが、顔はあまり似ていません。
プリシラさんのような、生き生きとした顔にならないのです。
プリシラさんのドールの顔をまねようと思っても、無理なことがわかりました。
プリシラさんの描く、ドールのまつ毛や口は、勢いのある線を一息に描いています。
これは、もうアート(絵画)だと、思います。
この、生きた線がプリシラさんのドールの表情の豊かさであるとわかるのです。
日本のカントリードール作家では、鈴木治子さんが好きです。
鈴木治子さんは、ご本人だけの作品の本が発売されたほど、人気のあるカントリードールの作家です。
(この本は3冊買いました!)
鈴木さんの作るドールは、落ち着いた色彩の配色が素晴らしいのです。
ドールから受ける印象も、ほのぼのと、ゆったりとした空気感が漂う、心が和むものなのです。
私のカントリードールの模写は、ほとんど鈴木さん作品ばかりです。
それは、作品を模写することで鈴木さんの作品作りの秘訣(秘密?)を見つけられたらいいな、との思いがあるからなのです。
写真のドールは、今から10年ほど前に売られていた、鈴木さんがデザインした、カントリードールのキット(布にドールが印刷されていて、それを切って、縫えば写真のようなドールが出来たのです)です。
おそらく、単発でこの商品しか、なかったのではないでしょうか。
布が好き、ボタンが好き、そしてカントリードールが大好きです。
一枚の布が、手を加えることで、立体になって、いろいろな想いを映しこんで、一体のカントリードールになります。
自分の好きなようにドールを作っていく面白さは、流行とは関係ありません。
そして、作り続けていると、ごく稀にですが、自分が考えていた以上のドールが、出来ることがあります。
そんなところが、カントリードール作りの面白さ、なのかも知れません。